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吟醸酒の誕生について

最終更新: 2020年11月19日

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清酒の話ばかりになりますが。

吟醸酒の誕生について書いてみたいと思います。


酒造好適米と呼ばれる酒米はもともと麹米に使用していました。そして掛米には食用米を使用しており、これがベーシックな製造基準でした。この「麹米に酒造り専用の特別なお米を使用すると良いお酒ができる」というのは、結構古くから知られていたようで、例えば灘の大手の酒蔵さんは、兵庫県で山田錦を昔から栽培させていたらしいです。


そんな感じにですね。酒造好適米を農家さんに栽培してもらっていたのですが。お酒の販売量が落ち込み、大手の酒蔵さんからいわゆるお米買取のキャンセルのような状況が起こり、困ってしまった農家さんが出てきたわけです。酒造好適米は食べるのには向かないお米です。


せっかく高品質な良いお米を栽培したのに、買い取ってくれるところがなくなってしまった農家さんは困ります。一方、経営サイズが小さい小規模の蔵も、それまでのベーシックなお酒を造っていても様々な意味で大手の酒蔵さんにはかなわず困っていました。


この「困った農家さん」と「困った小規模な蔵元」が、数の限られた酒造好適米のみを用い、粒の大きなお米を磨いて醸した吟醸酒を誕生させたわけです。


当初としては、どうして?酒造好適米だけでお酒を造るのか?と疑問を持った業界関係者も多かったかもしれません。しかし、量の限られた酒米を用い、それを磨いて醸したお酒は、製造コストが高く、小さな蔵にしか製造できない。というポイントがありました。


以前にも書きましたが、それと同時に、日本の近代化に伴う高速道路などの流通や、冷蔵設備の発達なども普及に寄与し、世の人たちに認められる高級酒へと吟醸酒はその地位を確立したと言えます。


こうして、小規模な酒蔵は、大手の酒蔵に対抗しうる「吟醸酒」を手に入れました。


困った農家さんと、困った蔵元が出会う。マイナスとマイナス。ネガティブとネガティブが掛け合わさり、吟醸酒というプラス。またはポジティブな商品が誕生し、イノベーションが起きた。


前回の1964年の東京オリンピック前後にこのような出来事がありました。


という事です。


このマイナスとマイナスが掛け合わさり、プラスが生まれる。この創造性、発想って面白いとつくづく思っています。さまざまな分野のビジネスでも、似たようなことはあるのかもしれませんが。



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