- meisyukankosugi
SDGsとワイン法
↓銘酒舘コスギのホームページ<800×600サイズ>
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少し前に他業種の人と少し話したのですが。
最近言われるSDGs(エスディージーズ)。いくつかのルールに基づいて、製品やサービスを創り、付加価値のある商品やサービスを提供してゆこう。という感じでしょうか?
ヨーロッパのワイン法も、もともとイギリスの産業革命が起きた、すぐあとくらいにフランスで創られた、とも聞いています。そして、その後、その他のヨーロッパの国々でもワイン法が創られたようです。詳しい資料が手元にあるわけではないので、正確な部分は省きますが。
つまり、もともと、地域地域の伝統的な製法や、地元でとれた伝統的なブドウ品種を用いて造っていたわけです。特にフランスは、各々の地方、地域で独特の個性的なワインが造られるようになりました。ワインと言っても「ヴァン=お酒」という意味になるようですが。
代表的なボルドーやブルゴーニュなどのスティルワインの他、シャンパーニュでは発泡性ワイン。コニャックではブランデー(熟成蒸留酒)等々。1銘柄だけワイン法に基づいて製造されるヴェルモットがフランスにはありますから。これも当てはまりますでしょうか?
ボルドーは歴史的に観るとイギリス領だった時代もあり、ボルドーは「クラレット」と呼ばれていたようです。
そんな感じで、他の国もそうだったかもしれませんが、特にフランスでは、様々な地域で様々なワイン文化が根付いていったわけです。中には高級ワインもあったでしょう。そして、貴族さんが…
「何年物の何とかは、最高だね!」
って感じで、講釈を言いながらお酒を楽しむ文化も古くから定着していたかもしれません。
そんな、ある時。
イギリスで、産業革命が起きました。機械化!大量生産の時代です。
ワイン業界にも産業革命の波がやってきます。
簡単に言えば、ブレンド物の大量生産の安いワインが出てきてしまうかも。
と、いう意味です。
ほおっておけば、何百年かけて創られてきた、畑の区画や、ワインの蔵が次々となくなってしまうかもしれません。そういった危機感を持った人たちが、それまでは、地域地域の伝統的に積み上げてきたワイン造りの業界ルール的なものを、厳格に法律化したわけです。
簡単に言えば、地域地域でとれた伝統的なブドウ品種を用いて、各々の生産者が、伝統的な製法にのっとってワイン製造をする。そうすることによって、その地域の名前をラベルに表示することができる。
という事です。
このワイン法の確立には、当時の貴族たちが深くかかわっていたとも言われます。
「貴族=戦国時代の大名的存在?=各々の地域の実力者?」でしょうか?(笑)
もし、このワイン法がなければ、畑の区画や各々の蔵は今の状態ではなかったかもしれません。一部の資本力のある蔵元や、ブランド力の強い蔵元しか残らなかったかもしれません。
何と言いますか、ヨーロッパでは伝統的なものを残そうという力が働くような気もします。
そして、もうワイン法ができてから100年以上がたったでしょうか?
法律のマイナーチェンジもされながら、今日まで続いているワイン法。
ワイン法があるから、ワインビジネスが存在するとも感じます。
当時の人たちは、いいもの(ワイン法)を作ったなー。とホントに感じます。
とはいえ、2000年代のニューワールドワインの台頭は、ヨーロッパのワイン業界からすれば、イギリスで起きた産業革命並みの出来事だったかもしれませんが。
伝統的な製造ルールに基づいて造ると言うワイン法。
SDGsもいくつかのルールに基づいて価値ある製品やサービスを提供する。
発想はすごく似ている。と思うんです。
その話をしたら、その他業種の人は納得というか理解してくれました。
色々な業界でも、当てはまることがあるかもしれませんし。
大切な基本的要素、だとも感じます。
と、思って書いてみました。